本編
とある晩、千秋は眠りに就く。 次に目が覚めると、そこは小さな法廷だった。慣れない布の感覚に千秋が視線下ろすと、裁判官のようなローブを着ていた。 目の前には、檻が二つ。その中に人がいる。法廷の奥には扉が見える。 扉の前にも覆面をかぶった人間が一人立っていた。
染谷千秋 : (また怪異に巻き込まれたのか……) 気だるそうに部屋に視線を巡らせます。 この部屋に来る前の記憶はありますか?
アイデアどうぞ!
染谷千秋 : CCB<=85 【アイデア】 (1D100<=85) > 55 > 成功
今日の出来事、そして千冬と共に眠るまでを覚えている。
染谷千秋 : 眠る直前や直近に違和感を覚えることはありましたか?
千秋、そして千冬は最近は怪異に巻き込まれることもなく、平穏に暮らしていた。日常でも、そして眠る前にも特に違和感は覚えなかった。
染谷千秋 : 直近に怪異に巻き込まれてから何週間ぐらい経ちましたか?
千冬が高校の同級生の男にストーカーをされた事件からは、3週間ほど経っている。
染谷千秋 : (あの事件から3週間……、そろそろ怪異に巻き込まれるとは思ってたけど早かったな) 染谷千秋 : (千冬も巻き込まれてんのか?……じゃなきゃいいけどな……) 染谷千秋 : (にしても、ここは……裁判所か?閉じ込められてんのもいるな。……今度は何させるつもりだ?) 染谷千秋 : 目の前の法廷に目星!
目星どうぞ!
染谷千秋 : CCB<=83 【目星】 (1D100<=83) > 4 > 決定的成功/スペシャル
法廷の造りは、よくテレビで見るようなものと同じだ。ただ聴衆も、裁判官もいない。そして二つ置かれた檻が異質だった。檻の中に入っているのは、どちらも女性のようだ。 法廷を見渡す千秋に向かって、目の前の覆面の人物が口を開いた。
?? : 「君が罪を裁くのだ。さて、罪人はどちらだ?」
ごうん、と鐘の音が響いた。
染谷千秋 : 罪人とされる女性を見たことや、男の声に聞き覚えはありますか?
檻に収容されている人物や、覆面の人物の声に聞き覚えはない。男だと一瞬思ったが、よく観察すると性別がうかがえない格好と声音の、得体の知れない人物だ。 その人物は続けて語った。
?? : 「とあるところに、犬の飼い主がいた。 ある日、飼っている犬が逃げ出してしまった。 犬が逃げた先には猫がおり、犬はその猫を噛み殺してしまう。 それを見た猫の飼い主は激怒し、犬を蹴る。 犬の飼い主が追いかけた時には時すでに遅く、犬は猫の飼い主によって殺されていた」 ?? : 「原告、証言をどうぞ」 猫の飼い主 : 「罪のないうちの子になんてことを! 許していいはずがありません!」 ?? : 「被告、証言をどうぞ」 犬の飼い主 : 「なんでうちの子がこんな目に。私がよく見ていれば……」 ?? : 「さて、罪人はどちらだ?」
そうしてその人物は、覆面越しに千秋の顔を見た。
染谷千秋 : (……は、俺に罪人裁かせるのが目的か?くだらねー) 染谷千秋 : 「原告側だ」 犬の飼い主を冷たく見下ろします。 ?? : 「千秋様、判決の理由は?」 染谷千秋 : 「自分の犬すら管理できなかったんだろ?自分の未熟さを棚にあげて喚く前に、自身を省みた方がいいと思うぜ。犬が殺されたのはお前のせいだ。犬に罪はなくても、お前に罪はある。……それに、被告は自分の大事なもん壊されたから復讐したんだろ。悪いところなくねえ?」 犬の飼い主 : 「そ……そんな! 私は何もしていないのに! うちの子を殺したあの人には罪がないって言うんですか!?」 染谷千秋 : 「お前の犬も猫殺したんだろ?ならおあいこだろ」 犬の飼い主 : 「……うちの子を止められなかった私が悪かったとしても、どうして私のほうが罪人なの!? 実際に殺した、あの人のほうが悪いでしょう!?」 染谷千秋 : 「お前がちゃんと犬を見てたら犬は殺されなかったからな。全部お前が悪い。……それに、ここでは俺が裁判官なんだろ?なら、俺が気に入らないやつを裁く。……自分の犬も管理できない、犬が殺されても喚くことしかしない。俺はお前の弱さが気に入らない」 染谷千秋 : 「本当に悲しくて悔しいんなら、犬を愛してたんなら、その女に復讐でもすればよかったろ」 犬の飼い主 : 「そんなの……良くないでしょう!? どうして……どうして!! なんでこの人が裁判官なの!? 絶対に間違ってる、どうして……!!」
――カン、と木槌の音が鳴る。
?? : 「判決が下された。それでは、刑を執行する」
――その言葉の後、犬の飼い主の檻の中に、四方八方から猫が現れる。猫の飼い主が飼っていたのだろうか、千秋には分からない。何匹も現れた猫は、犬の飼い主に向かって一斉に飛びかかった。犬の飼い主は悲鳴を上げるが、その悲鳴も虚しく、猫は犬の飼い主を食い殺してしまった。 ☆目の前の惨状にSANc(0/1d3)
染谷千秋 : 1d100<=60 【SAN値チェック】 (1D100<=60) > 88 > 失敗 染谷千秋 : 1d3 (1D3) > 1 [ 染谷千秋 ] SAN : 60 → 59
猫の飼い主は「ひ、」と声を漏らす。 覆面の人物が千秋に話しかける。
?? : 「千秋様、ではこちらへ」 染谷千秋 : 「……」 染谷千秋 : 動物に食い殺される様を見て、違う世界の千冬の姿を思い出して沈黙します。 促されるまま、男の示す方に向かいます。
・・・ 千秋が扉の先に進むと、また同じような光景が広がっている。 一つ変わったことがあるとすれば、檻の中の人物だ。 再び鐘の音が鳴り、覆面の人物が語り出す。
?? : 「とある日本にひと組の夫婦がいた。 ささいな失敗で旦那は妻を殴った。妻は娘と二人毎日旦那の暴力におびえていた。 ある日妻は耐え切れなくなった。娘を守るため妻は包丁を振りかざし、夫を切った。 幸い命はとりとめたものの、男はベッドから二度と起き上がれない身体になった」 ?? : 「原告、証言をどうぞ」 夫 : 「俺は悪くねえ、どうして俺がこんな目に遭わなきゃならないんだ?」 ?? : 「被告、証言をどうぞ」 妻 : 「ごめんなさい、ごめんなさい、このまま娘が殺されてしまうから」 ?? : 「さて、罪人はどちらだ?」 染谷千秋 : 「原告側だ。自業自得だろ」 夫 : 「なんでだよ! こいつは俺を刺したんだぞ!?」 染谷千秋 : 「お前が殴ったからな」 夫 : 「だって、気は利かねえし、しっかり家事もできねえし。生意気でむかつくんだよ。人を苛立たせるほうが悪いだろうが! それに、殴っただけだぞ! 俺がやったのは死なねえよ、手加減してやってたからな。でも下手したら俺は死んでたんだ!」 染谷千秋 : 「家事はお前がやればいい。それがしたくないんなら、そいつら捨てればよかったのにな。殴るだけで人は死ぬんだ。窮鼠だって猫を噛む。刺される可能性すら考えずに胡座かいてたお前が悪い。それも理解らねー程頭が弱いみたいだな?躾けたいんなら他に方法はいくらでもあったはずだ。死んでないだけ感謝しとけばよかったのに」 染谷千秋 : 「……人を苛立たせんのが悪いんなら、お前は俺を苛立たせてるから悪だ。大人しく裁かれろよ」 夫 : 「……でも、こいつは殺人未遂だぞ! どうしてこいつが裁かれないんだよ!」 染谷千秋 : 「お前はこいつらに負けたんだよ」 染谷千秋 : 「……こいつらがお前に殴り殺されてたら、俺はこいつらを裁いたと思うぜ。全部お前の頭の悪さが招いた結果だ。諦めろ」 ?? : 「判決が下された。それでは、刑を執行する」
檻の中、四方八方から刃が現れ、夫に向かってグサグサと突き刺さる。旦那は「痛い、痛いッ!」と悲鳴を上げるが、無数に突き出される刃を避けることは叶わない。抵抗も虚しく、彼は切り刻まれてしまった。 ☆目の前の惨状にSANc(0/1d3)
染谷千秋 : 1d100<=59 【SAN値チェック】 (1D100<=59) > 55 > 成功
妻は恐怖から蹲って動けなくなっている。 覆面の人物が千秋に話しかける。
?? : 「千秋様、ではこちらへ」 染谷千秋 : (……) 男の檻を一瞥してから呼ばれた方へ進みます。 染谷千秋 : 二つの裁判を経て、法廷で変わった場所などありますか?目星したいです!
目星どうぞ!
染谷千秋 : CCB<=83 【目星】 (1D100<=83) > 62 > 成功
今までの二つの法廷、そして扉の先の法廷を注意して見ても、変わったところはない。全く同じ内観だった。
染谷千秋 : (変わったところはないか。……裁判を進めるしかないみたいだ)
新たな法廷に足を踏み入れ、周囲を見たところで、また鐘の音が鳴る。
?? : 「とある学校にいじめっこといじめられっ子がいた。 いじめられっ子は毎日殴る、蹴るのいじめを受けていた。どうして自分がこんな目にあうのだと毎日憤っていた。 いじめっ子は昔、気の優しい良い子だった。しかし彼の家は貧乏で、それを周りが馬鹿にし、いじめたのだった。今のいじめられっ子も、彼をいじめていた一人だった。 いじめっ子は成長して強くなった。そして彼は、昔自分をいじめた少年に、同じことをしたのだった」 ?? : 「原告、証言をどうぞ」 いじめられっ子 : 「どうして僕がこんな目に! ゆるさない、ゆるさない……!」 ?? : 「被告、証言をどうぞ」 いじめっ子 : 「俺は悪くない。あいつがいけない。あいつが俺をいじめたのが悪いんだ」 ?? : 「さて、罪人はどちらだ?」 染谷千秋 : 「原告側だ。因果応報なんだから受け入れろ」 いじめられっ子 : 「なんで!? 僕知らないよ! 人をいじめたことなんてない」 染谷千秋 : (こいつらの主張が真実だろうが嘘だろうが、俺にとってはどうでもいい。法廷で示された情報でさっさと裁きてーけど……、情報を拾えるかもしれねーし、軽く話を聞いとくか) 染谷千秋 : 「らしいぜ?」 被告の方を見ます。 いじめっ子 : 「こいつは覚えてないんだ。俺をいじめてたこと、何一つ。……いじめたほうは何も覚えてなくて、されたほうはずっと覚えてる。そういうことだよ」 染谷千秋 : 「へえ?」 原告の方を見ます。 いじめられっ子 : 「……仮に昔本当に僕がいじめてたとして、小さい時の話だ。今やってるほうが悪いだろ! 殴ったり蹴ったり、酷いんだ。ここに痣もある。学校に行くのも怖い。……あいつのほうが悪い!」 染谷千秋 : 「自分のやったことには責任持てよ。今更過去は変えられない。なのに何もしなかったんだろ。ならお前の人生は変わらねーよ。諦めろ」 ?? : 「判決が下された。それでは、刑を執行する」
突如、檻の天井からロープが垂れる。いじめられっ子は逃げたいだろうに、体が硬直し動けないようだ。ロープがゆっくり、ゆっくりと下がり、いじめられっ子の首にかかる。そして、ロープが勢いよく上へ引き上げられる。始めこそ苦しんでいたものの、次第に体が動かなくなっていった。 ☆目の前の惨状にSANc(0/1d3)
染谷千秋 : 1d100<=59 【SAN値チェック】 (1D100<=59) > 40 > 成功
いじめられっ子は「ひ……」と後ろに下がり、壁に背をつけている。 覆面の人物が千秋に話しかける。
?? : 「千秋様、ではこちらへ」 染谷千秋 : (……フン) 促されるまま男の後に続きます。
千秋は次の法廷へ向かう。 中央まで歩みを進めた時、部屋に鐘の音が響き渡る。
?? : 「ひと組の親子がいた。母子家庭だった。 母親は娘を養うために毎日毎日身を粉にして働いた。朝も昼も晩も食うものも食わず、睡眠時間も削って働いた。しかし生活は苦しくなるばかりだった。そのストレスから、娘に当たって暴力を振るうこともあった。 ある日、娘に消えない大きな傷跡を残してしまった。このままでは耐えられないと悟った母親は、公共に頼った。精神状態に問題があると診断を受け、娘は施設に引き取られることとなった。 その後母親は社会復帰し、出会った男と再婚した。しかし娘は母親を酷く恨んでいた。彼女は母親の幸せを壊したいと願い、母親の旦那を殺した」 ?? : 「原告、証言をどうぞ」 母親 : 「どうして、彼が死ななければならなかったの……」 ?? : 「被告、証言をどうぞ」 娘 : 「どうして私を捨てたの、許さない、絶対にゆるさない」 ?? : 「さて、罪人はどちらだ?」 染谷千秋 : choice 母親 娘 (choice 母親 娘) > 娘 染谷千秋 : (娘を捨てた母親と、捨てられた娘か。……母親は娘を傷付けたくなかった。娘は母親に捨てられたくなかった。どっちもどっちだな。母親は娘と対話するべきだった。状況的にそれが敵わないんなら、社会復帰した後にでも気にかけるべきだった。……もし娘への愛情がそこまで無くても、ケアできなかった点ではこの母親が悪いな。……娘の方は娘の方で、捨てられて起こった後の人生について何も喋ってない。捨てられたくなかっただけか?なら、こいつも愛情表現を間違えてるな。……本当に捨てられたくないなら、母親と一緒に暮らしたいんなら、母親に選んでもらえるように努力すべきだ) 染谷千秋 : 「被告側だ。俺の目には、そいつが母親に執着してるように見える。捨てられたことに憤ってるなら、母親に対する愛情があったはずだ。それが憎しみに変わったんなら、感情を制御できないこいつが悪いと俺は思う」 娘 : 「愛情? そんなの無い。ずっと憎かった。自分だけ幸せになるなんて許せるわけない。私は幸せになれなかったのに!」 娘 : 「戻ってくればいいじゃん、私のところに。私をまた、養える理由ができたなら。でも戻ってこなかった。……産むだけ産んで、邪魔になったらぽいって捨てればいいの? それは悪くないって? そんなのおかしいでしょ!」 染谷千秋 : 「自分が幸せになれない理由を人のせいにすんなよ。幸せは自分の手で掴み取れ。それができないなら死んどけ」 染谷千秋 : (正直どっちでもいいけどな。……こういうのを残した後に逆恨みされて千冬に手出されたら面倒だ。母親は娘よりは落ち着いてる性格みたいだからな。こっちにしよう) 娘 : 「死ん、どけ…? 私、これから死ぬの?」 ハ、と吐き捨てるように笑います。 染谷千秋 : 「さあな」 娘 : 「……ふん。ま、いいわ。大好きな人が自分のせいで殺されたこと、一生苦しんで生きればいい」 ?? : 「判決が下された。それでは、刑を執行する」
娘の体に異変が起きる。みるみると体が痩せていき、声も出せなくなる。虚ろな目で空を見上げる彼女は、最後には骨と皮のみとなった。がくり、と軽くなった体がその場に崩れた。 ☆目の前の惨状にSANc(0/1d3)
染谷千秋 : 1d100<=59 【SAN値チェック】 (1D100<=59) > 31 > 成功
目の前で娘が死んだにも係わらず、母親は顔を上げようとしない。 「どうして、どうして」と呟いている。 覆面の人物が千秋に話しかける。
?? : 「千秋様、ではこちらへ」 染谷千秋 : (何も思わねーのな) 染谷千秋 : 「ああ」 男についていきます。
覆面の人物と千秋は扉の先へ向かった。 また新しい法廷が千秋たちを迎える。
?? : 「とある村で大量の人間が死んだ。犯人はその町に住む女だった。 女は魔術によって、友人を蘇らせるために、たくさんの人を殺した。 蘇らせたかった友人は、先日村人たちに、村の風習により火あぶりにして殺された。 友人を蘇らせるその魔術は、失敗に終わった」 ?? : 「原告、証言をどうぞ」 犠牲者家族 : 「罪のない私の夫が死んだ!」 犠牲者家族 : 「私の母もだ!」 犠牲者家族 : 「ねえ、パパはどこにいっちゃったの……?」 犠牲者家族 : 「「「「やつは犯罪者だ! 犯罪者だ!」」」」 ?? : 「被告、証言をどうぞ」 女 : 「どうしてあの子が殺されなければならなかったの。優しい子だった。村の人たちともずっと仲良くしていた。だから、許せなかった」 ?? : 「さて、罪人はどちらだ?」 染谷千秋 : (どっちも悪くねーな。よってたかって人1人殺した人間と、大義名分があるにせよ、大勢を殺した人間。罪の重さで言ったらこいつの方が重いけど、俺はこいつの感情が理解できる。法はさておき、大事なもんのために行動する気概は評価できる。……けど) 染谷千秋 : 「被告だ」 ?? : 「千秋様、判決の理由は?」 染谷千秋 : 「死んでも困らねーだろ」 女 : 「……なに、それ。どういうこと?」 染谷千秋 : 「だって本望だろ?」 染谷千秋 : 「俺は正直、どっちが死のうが関係ない。そっちのお前……、大事な物を取り返そうとした気概は悪くない。大勢を殺したんだ、お前が村人に殺される可能性もあったはずだ。お前には覚悟があった。けど失敗した。命かけてまで蘇らせようとした物は手に入らなかった。それなら、死んでもいいだろ?そいつと同じところにいけるんだ。喜べよ」 女 : 「ああ、そういうこと。……そうね、確かにあたしは死んでもいい。あの子がこの世にいないのも事実。ならもう、この世に思い残すことはないわ。でも、それなら」 女 : 「それなら、あいつらが死んだって困らないでしょ? こんな風習、間違ってる。それをずっと受け入れてる、一人の犠牲に目もくれないあいつらのほうが狂ってるの。村の人間は皆知ってる、黙ってたやつも全員、殺したやつらと同罪よ。あたしは勝手に死ぬから、裁判官さんはあいつらを裁いてよ」 女 : 「あいつらは皆、自分の罪を自覚してないの。それってもっと罪だと思わない?」 染谷千秋 : 「お前には同情するぜ。けど、俺には関係ない。俺だってここに強制的に連れてこられただけなんだ。知らないやつのために好き好んで人殺しはしねーよ。悪いな」 染谷千秋 : 「それに、お前が周りを狂ってると思うように周りもお前のことそう思ってるんじゃねーの?住む所が変わればルールも変わる。お前の周りにお前と違う思想のやつらで溢れてたんなら、お前の運が悪かったんだろ」 女 : 「……だめか。そうよね、運が悪かったと思う。……選ばれたのがあたしだったら良かったのになあ」 ?? : 「判決が下された。それでは、刑を執行する」
瞬きを一つすれば、舞台は法廷から打って変わり、村のような場所にいる。見れば女が磔になり、火あぶりにされている。光を灯さない瞳で遠くを見て黙っている女とは対照的に、千秋の周りでは村人の歓声が上がる。 ☆目の前の惨状にSANc(0/1d3)
染谷千秋 : 1d100<=59 【SAN値チェック】 (1D100<=59) > 65 > 失敗 染谷千秋 : 1d3 (1D3) > 2 [ 染谷千秋 ] SAN : 59 → 57
覆面の人物が千秋に話しかける。
?? : 「千秋様、ではこちらへ」 染谷千秋 : 「……この法廷はいつ終わるんだ?」 ?? : 「次が最後となる」 染谷千秋 : 「そーかよ」
二人は扉を開き、新たな法廷へと歩いた。 檻が、二つある。千秋から見て左には、怒りと悲しみが混ざったような表情のたくさんの人間が、老若男女問わず入っている。 その人々は次々に「人殺し!」「悪魔め!」と罵声を浴びせている。 罵声と怒号を浴びせられている向こう側の檻、そこには――千秋がよく知る人物が立っている。 彼の服は血まみれになって、片手には鉄パイプが握られている。彼はずっと沈黙したままだ。 あなたのよく知る千冬で間違いないだろう。
染谷千秋 : 「……!」 ?? : 「とある男が無差別に人間を殺した。 人殺しと、殺された被害者たち。さて、罪人はどちらだ?」 ?? : 「原告、証言をどうぞ」 被害者遺族 : 「私の娘は殺されました。目の前のこいつに! ……何もしてません、私の娘は!」 被害者遺族 : 「俺の恋人だってそうだ、愛していたのに、どうして」 被害者遺族 : 「僕のお母さんは、お母さん……」 被害者遺族 : 「もうお前のことを忘れねえ。一生恨んでやる!」 ?? : 「被告、証言をどうぞ」 染谷千冬 : 「……」 ?? : 「さて、罪人はどちらだ?」 染谷千秋 : 「……被告の主張はねーのか?」 染谷千冬 : 「……」 ?? : 「被告には黙秘権がある。言わなくても問題はない」 染谷千秋 : 千冬の様子を確認したいです!
目星どうぞ!
染谷千秋 : CCB<=83 【目星】 (1D100<=83) > 54 > 成功
一瞬、千冬と目が合う。しかし千冬はすぐに目を伏せる。口を固く引き結んでおり、話す気はないようだ。
染谷千秋 : 「……」 (あれが千冬かどうか分からない。……けど、千冬の形をした物と有象無象を並べられてどっちか選べってんなら、答えは一つだな。悩む価値もない) 染谷千秋 : 「原告側だ」 ?? : 「千秋様、判決の理由は?」 染谷千秋 : 「被告側が黙秘してるからだ」 染谷千秋 : 「裁かれるかもしんないって時に黙るのはおかしい。自分が不利になるこの状況で何も言わないなんて、理由があるはずだろ?」 染谷千秋 : 「さっき被告側と目が合ったぜ。何か言いたげな目だった。黙秘してるのは原告側から脅されてるかもしれないな。……原告側には、口汚く罵る人間もいるみたいだしな」 染谷千秋 : 「厳かな場を汚すのはいただけないぜ」 被害者遺族 : 「おい、聞いてればどういうことだよ! 黙ってたほうがいいってのか、おかしいだろ!」
人の密集した檻の中で、一人の男が立ち上がる。格子をガシャンと掴んだ男を、周囲の人は宥めようとするが、男は構わず言葉を続ける。
被害者遺族 : 「脅してるなんてことあるわけないだろ! こっちは被害者だぞ! 九十九人殺したやつの、いったい何が悪くないって言うんだ!? あいつが有罪だ!」
檻の中から、「そうだそうだ」「有罪だ」と声が上がる。
染谷千秋 : 「被害者だからって全部が全部正しいわけじゃない。……今までの裁判で学んだことだぜ。おい、終わらせろ」 被害者遺族 : 「……は、何なんだ、お前!」 ?? : 「判決が下された。それでは、被害者の遺族たちに罪を償って貰おう。千秋様が自ら裁きなさい」
いつの間にか、千秋の手には鉄パイプが握られていた。
染谷千秋 : パイプを片手にトントンと手を叩き、その硬さを確かめます。千冬が終わりを告げようとしていたあの日のことを思い返します。 「……やっぱりこういうのはさ、俺の方が向いてると思うぜ」 ひとりごちた後に大きく振りかぶり、被害者を名乗る者達を次々に殺します。
檻の中を行く千秋を、人々は恐怖に満ちた目で見る。逃げたくても、身体を動かすことができないようだった。
「嫌!」 「来るな!」 「やめて!」 「悪魔だ!」
人々の泣き声や怒り声が空間に埋まる。それらをかき消すかのように、鉄パイプを握った千秋は、目の前の人間を、
殴った。
何度も、何度も、何度も、何度も。
「っかは、……ッ」
殴って、殴って、殴って、殴って。
「いやあああ……ッ!」
ゆっくり、速く、とめどなく。何度も、何度も、何度も。
「 」
聞いていられないような叫び声が無数に轟く檻の中で、その声が聞こえているのかいないのか、肉体が原形をとどめなくなるほどに、千秋は鉄パイプを振りかざしたのだった。
そしてようやく、完全に声が聞こえなくなった。 千秋の手によって断たれた命が、その檻の中にごろごろと転がっている。 ☆SANc(1d3/1d10)
染谷千秋 : 1d100<=57 【SAN値チェック】 (1D100<=57) > 71 > 失敗 染谷千秋 : 1d10 (1D10) > 1 染谷千秋 : 死体には見向きもしません。千冬の方に近寄りたいです。
千秋は千冬のそばに寄ろうとしたが、隣の檻にいたはずの千冬は姿を消していた。 この空間に、覆面の人物と千秋が取り残された。
?? : 「さて、自らの手で人を裁いたご感想は?」 染谷千秋 : (千冬が消えた。……幻覚か?それとも移動させられた?) 染谷千秋 : 「くだらねー。こんな茶番さっさと終わらせろよ。時間の無駄だ。さっきまであそこにいた被告はどこ行った?」 ?? : 「最初から存在しなかったんじゃないか? これは全部、悪い夢だ」 ?? : 「最後にもう一部屋ある。どうぞ、こちらへ」 染谷千秋 : 「そーかよ」 男の後に続きます。
最後の扉を開ける。そこには、今まで千秋に殺されてきた人々、殺されなかった人々。この空間で出会った全ての人々が立っていた。千冬の姿だけ、見当たらない。
?? : 「お疲れ様。大変だっただろう。でも、これで終わりだ」 染谷千秋 : KP!ここでなにかされる”覚悟”を持っています!
例えば?
染谷千秋 : 千冬の姿をしたものが裁かれるとか神話生物にあうとか裁いた人々に殺されるとか神話生物にあうとか神話生物にあうとかです! 染谷千秋 : 現実では起こり得ない変なことが起こるんだという覚悟とこれは夢だという自己暗示を強く持っています! 染谷千秋 : なんかあったときにSAN値減少しませんか???!?!???!?!?! 染谷千秋 : 千冬らしき人間が死ぬ姿を見る覚悟も、あります!
人々から千秋に向かって拍手が送られる。しかし、千秋にその音は聞こえない。
?? : 「ハッハッハッ! それではこんな悪い夢は、終わりにしよう」
覆面の人物は、目の前の人々へ声をかける。
?? : 「さて、彼は罪人か?」
「この子にする! だって可愛いから!」 「あなたといれて、私は幸せよ」 「大丈夫、明日はいじめられないよ」 「お母さん、明日結婚するの」 「村の人たち、喜んでくれるといいな」 「 」
?? : 「おめでとう、千秋」
ハハハハッと、高笑いが聞こえる。目の前の光景がぐるんと変わる。 千秋は檻の中に入っていた。まるで今まで千秋がここで出会った人々のように。 そして、目の前には千秋が裁いた罪人たちがいる。彼らは千秋へ恨みを込めた目を向ける。
「死罪だ」 「死罪だ」 「死罪だ」 「死罪だ」
罪人たちは声を揃えて千秋へ死罪だと告げた。
?? : 「判決が下された。それでは、刑を執行する」
途端、千秋の入っていた檻は、歓声とともに無情にも水に落ちていく。 ゆっくり、ゆっくりと沈められる。呼吸ができない。 やがて千秋は、息を止めた。 ☆SANc(1d3/1d6)
染谷千秋 : 1d100<=56 【SAN値チェック】 (1D100<=56) > 48 > 成功 染谷千秋 : 1d3 (1D3) > 3 [ 染谷千秋 ] SAN : 56 → 53
・・・ 目が覚めると千秋はベッドの上にいた。 嫌な汗をかいている。自分の頬に手を当てると、まるで水にぬれたようにべっとりとしている。 夢だったのか、そうでないのか。それは誰にも分からない。 ただ、足元でガチャリと音を立てた拘束具が、今が現実であることを知らせていた。
☆クリア報酬 ・被害者遺族を殺した SAN回復1d10
☆成長判定 ・目星×1
お疲れ様でした!
染谷千秋 : 1d10 (1D10) > 3 [ 染谷千秋 ] SAN : 53 → 56 染谷千秋 : CCB<=83 【目星】 (1D100<=83) > 16 > スペシャル
エピローグ
染谷千秋 : 汗を拭って呼吸を整えながら千冬の顔を見ます。魘されたり悪い夢をみていそうですか?
隣で眠る千冬の顔を見る。いつもと変わらず、すやすやと穏やかに眠っている。
染谷千秋 : choice 完全に起きる シャワーだけ浴びる 二度寝 (choice 完全に起きる シャワーだけ浴びる 二度寝) > 完全に起きる 染谷千秋 : 眠る千冬の頭を撫でて上半身を起こし、怪異についての記録をつけます。今までの怪異の傾向から大きく外れていなそうだということを確認した後、千冬を起こさないようにベッドを抜け出します。 染谷千秋 : 千冬が起きなそうなら水飲んでシャワーを浴びたいです!
千冬は聞き耳をどうぞ。成功で千秋が起きたことに気づけます。
染谷千冬 : CCB<=38 【聞き耳】 (1D100<=38) > 34 > 成功 染谷千冬 : 「……」 人の動く気配に目を覚まします。ぱちぱちと瞬きをしますが、隣で寝ていた千秋の姿が無いことに気づいてがばりと身を起こします。すると扉の横に立つ千秋が目に入り、ひとまず安心します。 染谷千冬 : 「……千秋、寝れないのか?」 染谷千秋 : choice 今言う 後で言う 終わったことだから黙る (choice 今言う 後で言う 終わったことだから黙る) > 後で言う 染谷千秋 : 「悪い、起こした。少し喉乾いたから起きただけだぜ」 染谷千冬 : 「……そう、か。……俺も飲む」 染谷千秋 : 「ん。冷たいのと温かいのどっちがいい?」 染谷千冬 : 「冷たくていい」 染谷千秋 : 「ああ。……ほら」 冷たいお茶をコップにいれて千冬の元へ戻り、差し出します。その後自分も分もいれ、お茶を飲みます。 染谷千冬 : 「ありがとう」 ぐ、ぐと飲み干します。 染谷千冬 : 「……すぐ寝れそうか?」 染谷千秋 : 「身体起こしたら目が覚めた。俺は後で寝るから、千冬は先に寝な」 くしゃりと千冬の髪を撫でてコップを受け取ります。 染谷千冬 : CCB<=11*5 【POW × 5】平静/不安 (1D100<=55) > 65 > 失敗 染谷千冬 : 「……」 以前の出来事が思い返されます。もし千秋が知らない間に、と思うと不安を感じます。 染谷千冬 : 「……我儘を、言ってもいいか」 染谷千秋 : 「ん、何?」 染谷千冬 : 「俺の腕の中にいろ」 染谷千秋 : CCB<=16*5 【POW × 5】シャワー浴びない/まあ浴びなくていい/F:浴びたい (1D100<=80) > 6 > スペシャル 染谷千秋 : 「ふ、……分かった」 コップを流しにいれ、ベッドへ戻ります。千冬の腕の中に入ります。 染谷千冬 : 「ありがとう」 千秋の背をぽんぽんと叩きながら、しばらくして再び眠りに就きます。 染谷千秋 : ccb 眠い度 高い方が眠い (1D100) > 6 染谷千秋 : 「……」 千冬をまた起こしてしまわないようにじっとします。眠る千冬の顔を見ながら暗闇の中をしばらく過ごし、千冬の眠りが深くなってからスマホで近頃日課となっている、千冬の元同級生と自分が関わった人間の居場所を探します。 そのまま朝まで過ごします。
千冬が高校の同級生にストーカーをされていた一件から、千秋は今までに関わった人間の調査をするのが日課となっていた。現在の居場所、職業、交友関係などを丁寧に調べ、千冬に危険がないかを確認する。全員を調べ上げるのは、まだまだ時間がかかりそうだ。 調査しているうちに朝になり、アラームが鳴った。千冬が再び目を覚ます。今日は木曜日、千冬は仕事がある。
染谷千冬 : 「……千秋、おはよう。寝れなかったのか」 染谷千秋 : 「千冬、おはよ。せっかく起きたし、寝る気分じゃなくなって動画見てただけだぜ。眠れなかったわけじゃないから心配すんな」 微笑んでから千冬を抱きしめます。 染谷千冬 : 「そうか」千秋の頭を撫で、しばらくのんびりとします。 染谷千秋 : 「そういや、昨日裁判官になって人を裁く夢見た。ねーと思うけど、怪異の可能性もあるから千冬も見たら言えよ」 千冬の腕の中でぬくぬくしながら言います。 「な、朝ご飯何がいい?」 染谷千冬 : 「……夢、詳しく聞きたい」 千秋が夢のことを話すのは珍しいため聞き返します。 染谷千冬 : 「朝ご飯は、パンがいい」 染谷千秋 : 「パンな」 千冬の答えに頷き、言葉を続けます。 「夢は、気付いたら裁判官みたいな服着てて法廷に立ってた。目の前に原告と被告がいて、覆面の男もいた。原告と被告の主張をそれぞれ聞いて、どっちが正しいかを覆面の男に言う夢だった。例えば、過去いじめてた現いじめられっ子と、過去いじめられてた現いじめっ子、とかな」 染谷千秋 : CCB<=17*5 【INT × 5】好奇心 (1D100<=85) > 15 > スペシャル 染谷千秋 : 「……千冬はどっちが悪いと思う?」 染谷千冬 : 「……裁判で原告と被告がいるなら、被告なんじゃないか。やり返したら、同じ罪だ」 染谷千冬 : 「……詳しく話を聞いたら、揺らいでしまうかもしれない。いじめ方が違っていれば、こっちのほうが酷いから悪いと、比較してしまうかもしれない。でも、それは俺の私情だ。今、どっちが罪を犯したか。罪を問われているか、だと思う。これが裁判なら。……いや、裁判じゃなくてもだ」 染谷千秋 : 「ふ……、そうだな」 千冬が殴られてもやり返さなかったことを思い出します。 「同じことをやり返せば、相手からも恨まれる。そうして結局は、同じことの繰り返しだ」 染谷千冬 : 「……今は、そう思うのか?」 染谷千秋 : 「ああ。……ま、気に入らねーのは原告側だけどな」 染谷千冬 : 「ふ、そうか」 染谷千秋 : 千冬の頬に口付けをしてから、身体を起こします。 「飯作るよ。そういや、今日は特に冷えるらしいぜ。インナーはあったかいのにしろよ」 染谷千冬 : 「分かった」 千秋に続いて体を起こします。ヘッドボードに置いている鍵のかかった箱から足枷の鍵を取り出し、千秋と自分の高速を外して、枷をベッドの下にしまいます。
そして二人は朝の支度をする。 以前の千秋であれば、どちらが悪いと思うか違っていたかもしれない。人の考え方は変わる。千冬とたくさん話をして、千冬の言葉や行動を思い返して、きっと千秋はまた、別の答えを見つけるのだろう。そしてそれは、千冬にとっても同様だ。互いに影響し合って、二人はこれからも生きていく。